さくらが咲いたという
さくらの希望を思い出したくない
あなたに逢えない
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戸を鎖し
わたしは曇り硝子の内側
夜更けて
四月
灰になりたい さくらよ散れ
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五月
・
五月
殺す国に生まれ
灰になったひと
灰になったひと
落丁に似て
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懐かしい歌を歌い
今年も海辺に小さな花を摘み
六月
わたしは花の色を思い出せない
絵の具を憂鬱な風景に塗り込めて
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あめあめふれふれ
あめあめふれふれ
灰をこの国に
1:08 2010/04/05 月曜日
BIRD ・・ くびれた空に広げた貧窮 ・・ 何処までも青く塗りつぶされる瞬間(とき)の屠殺場・ あなたは顔を顰(しか)め遠のく ・・ 通りでこどもの声がする・ 庭のすずめが啼いている・ 窓辺のビー玉は朝の命を浴びて光る ・・ 今日わたしはヒトであるだろうか・ ベッドの脚にさえ影がある・ カタチアルわたしに陽が差せば・ 折れた肩が透けて見える・