夜更けて一人の手
誰にも触れないゆびは
冴えて鋭い
二度と触れさせない
二度と触れたくない
二度と触れない
みすぼらしい傷をなぞらせない
古びた枕の下のいじけた夢
ざんげをしてほっとしたりしない
ざんげをして許しを乞わない
噛み合わない春に背を向け
淡々と 脹物(はれもの)を抱く
満月の街道沿いに
死に別れた人
落ちる桜の雪
ついて行く青い影
21:27 2010/04/21 水曜日
BIRD ・・ くびれた空に広げた貧窮 ・・ 何処までも青く塗りつぶされる瞬間(とき)の屠殺場・ あなたは顔を顰(しか)め遠のく ・・ 通りでこどもの声がする・ 庭のすずめが啼いている・ 窓辺のビー玉は朝の命を浴びて光る ・・ 今日わたしはヒトであるだろうか・ ベッドの脚にさえ影がある・ カタチアルわたしに陽が差せば・ 折れた肩が透けて見える・