2010年3月29日月曜日

実りない庭

庭に嘘を許し
嘘をつく者の庭であり
嘘で造られた庭であるなら

石のように黙ろう

汚れた足で踏み蹂(にじ)り
忌まわしい手でいのちを盗み
穢(けが)れた唇でひとを滅ぼす

ならば
沈黙の僕(しもべ)となろう

損(そこ)なわれた者達への献げ物
実りのない
ひとの屠(ほふ)り場
空(むな)しく摘むばかりのいのち
乏しく積むばかりの言葉

ならば
枯れた草のように黙ろう

真っ直ぐに歩けば
頑なな者は地にひれ伏す
ゴルゴダの丘は望みの地
食い込む鎖はのいのちの絆(きずな)

実りない庭
逃れられない罠の中
貴方に仕える喜びに生きる
奪われるままに奪われる避け所

ならば
野に白く咲こう

22:10 2010/03/17 水曜日

2010年3月28日日曜日

悲しみは

悲しみは折りたたんだ洗濯物の
其のたわいもない折り目にさえ潜んでいて
クレッセンドとデクレッセンドリフレインして

希望 の光はブラインドの隙間を
ブーメランのよう行きつ戻りつ
飛ぶ鳥でさえ遮って
デクレッセンドばかりリフレインして
消えてゆ く

夢を描いては雨がそぼ降る田舎道
突然降りた遮断機
潜り抜けもせず飛び越えもせず
ひたすら待つ
単調なメ ロディリフレインして
魂ごと閉ざされるユクテ

2006年

2010年3月25日木曜日

明日が来るとも知れないのよ私には

塗りつぶしたい
塗りつぶしたい色がない
塗りつぶしたい
塗りつぶしたいの黒に
そう
塗りつぶせないの黒には
塗りつぶすと誓います
そう
血の炎で焼き尽くす

食いつぶしてしまいました
パパに供えたお菓子
パパごめんね
あなたいいでしょ
だっておなかが少しもいっぱいにならないんだもの
言い訳ばかり
いつもしていた?ワタシ
言い訳なんて知らない言葉だった
貴方あとお菓子は3つしかないわ
お盆はまだ行かないのに

言うたびに貴方のお皿からお菓子が消えます
パパはもう灰ですから食べません
ワタシが食べても
もう大きくなれないわね
お盆だから貴方が帰るなんてこんなに
少しも待ちもしないし
お盆だからって昨日の次に今日が来ただけで
明日が来るとも知れないのよ私には

貴方はもうどこにもいない
貴方はお盆だからって帰るようなそんな気もしない
貴方はいない

ワタシは毎日黒く塗りつぶすことだけ思います
みんなみんな塗りつぶします

子供の頃から生きることなど意味がないと
思っていました
いつもどうせ死ぬのにと
思っていました
ワタシはワタシのことを知りませんでした
ワタシがどこにいるのかさえ分かりませんでした
今も意味があるわけじゃありません
意味があるような振りをしているだけ

貴方の箱の中とワタシのこのパソコンの前と
そこにある貴方の灰とワタシのこのもうワタシではないヒトのカタチと
少しも違ってはいません
死にません
みんなみんなみんなみんな黒く塗りつぶしてやります
彼らの明日と彼らの全てを黒く塗りつぶします
貴方と同じように灰にします

貴方の遺骨を夕ごとに開け
遺灰を床に撒き
壁に塗り
喉仏を砕き
貴方を奪った獣

貴方の遺影の叫び

だからワタシに許されています
みんな黒く塗りつぶすこと
ワタシは許されています
終わらせること
踏み躙られた者の怒りで
殺された者の憤りで
太った獣は焼き尽くします
滅ぼし尽くします
私に許されています
真実を暴きます

0:52 2010/03/24水曜日
http://akaihanaga.exblog.jp/14018760/
兄弟の職を脅かす社民党
「成田悦子の雨の音 」
の記事を読んで下さい。
社民党が自民党、公明党、民主党と私と私の家族にしている事が分かります。
夫は社民党と二つの政権に殺されました。
北海道警察と北大医学部法医学教授が協力しました。
詩にもありますように、政権二つと社民党は毎日泥棒を入れ、夫の遺影に落書きをし、遺骨を砕き、喉仏を持ち去り、夫の遺影にした写真も盗みました。
夫が死ぬと、北陸銀行が614万円の振り込め詐欺を行い、北陸銀行員二人の名前を書いた手紙と領収書を盗みました。
これも二つの政権が指示したものです。

この犯罪の次に来るものに、私を殺す計画があり、日本生命の女二人が関わっています。
公判の検事は、公文書を偽造して「離婚歴がある、夫と別れた」と言っています。
私の遺族年金を盗む目的の発言です。
弁護士、裁判官が知っていながら其の発言を検事に許しました。
私は否定しました。
すると裁判官は、次の公判で冒頭酷い言い方で私を誹謗しました。
「出て行ってもらう」と言いました。
この真鍋秀永は公判の冒頭毎回威圧威嚇する人です。
それは法律に違反します。
真鍋秀永は、検事と社民党と事前にいつも打ち合わせを行っている事は、直ぐに誰にでも発言に出ますから分かります。

私は弁護士が否定しないから、言わざるを得ませんでした。
黙っていたら、夫と離婚した事にして、その遺族年金を日本生命の山本と言う女に渡す心算でいたと思っています。
検事も弁護士も裁判官も協力しました。
何の目的もなく、夫と離婚したことなどない私に「離婚歴がある」とは言いません。
殺人を推奨する裁判が行われています。
私と同じ目に合っている人はたくさんいるでしょう。
1:16 2010/03/25 木曜日

2010年3月23日火曜日

貴方はいない

星は散らばり
世に花は散り
夜に散らかる窓明かり
いのちは散りたがる
あなたは知りたがる

認めない実りあるマナザシ
絡み合うゆびと組んだ両腕
寂びた床血が流れる
薄く反射する春のヒカリ
滴(したた)る他はない果物の終わりに

未だ遙かな帰り途(みち)
寄りかかるほどに損(そこ)ねる一切(いっさい)
雲は風に散り
誉は闘いに散る
獣は群がりたがり
道は塞がりたがる

貴方はいない

2010年3月23日 23時30分 火曜日

2010年3月20日土曜日

岐かれ道

過酷な不自由の狭間で
投げ出したい存在の約束
調子の狂った欲望に
無防備な庭は侵食された

平穏でいたい
アナタと
平穏は闘うことでしか得られない
私の
岐かれ道

項垂れない
惜しまない
慎みを遠ざけて
不合理を拒む

冬枯れの道を通り過ぎて
世界を穏やかに見晴らす
アナタの目の奥の清らかさを探り当てたい深夜
正義に焦がれるアナタと
正義の原理を証明しなければならない
私の
岐かれ道

2007年冬

2010年3月16日火曜日

紙のオトズレ

当て処なき紙の埃
モトメて回る海鳥の怯え
ひとはみな慣わしの鎖につながれ
落日に燃えて果敢(はか)ない

私は行き着く岸を失くした容器
書き散らかした文字
捨てているこの様
風にまかせ波間に沈む
好む灰色の覆いがあたたかい

春の音もずれて今春

囚われの海原を漂い
知らせるなにもなく
朽ちてさえゆかないプラスチックの

12:27 2010/03/16 火曜日

2010年3月14日日曜日

再生

http://etukobird.blogspot.com
「成田悦子BIRD」に記事を移します。
Yahooは検索に出さない、猥褻サイトの記事は全部新着に出すのに私の記事は新着に載せない、しかし、理由は言えない。私のブログを不正に削除しておき ながら、「詩や記事を返せ」と言っても何もしようとしない・・ということで
最近はYahooを見る人もいなくなっていて、私の人気で人を集めるのもごめんですから、潰れる懼れのないGoogleに記事を移します。
このサイトはこのままにします。
http://etukobird.blogspot.com
「成田悦子BIRD」に詩を投稿して行きます。
もちろん他に30くらいブログがありますからその都度考えます。
更新しているブログは後でLINKを貼っておきます。

私も再生しなくちゃ、
あなたも・・いっしょに・・

再生

私には足があって
歩くことができる
走ることが出来る

声が出て
話すことが出来る
歌うことが出来る
泣くことが出来る

私は健康で
朝の日差しを浴び
一杯のオレンジジュースを
喉を鳴らして今朝も飲む

閉じたブラインドの隙間から
幾筋もの光が差し込み
夜毎洗っては乾かす醜い魂の器の隅々まで
照らしてくれる

孤独を嘆いた夜は何処に行ったのだろう
心はまだ頼りなくよちよち歩きで
たくさんの涙を吸い取った青いカーテンや
柔らかな自己愛の羽根布団から卒業できずに
いつまでも惰眠を貪り
偽りの晩餐に集いダンスを踊りたがる

灰色の空が好き
灰色の心が好き
灰色のカーディガンが好き
開け放つことの無い扉の内側で
繰り返した独り言

けれど今朝のこの溢れる光はなんとしたことだろう
光を受け入れることが苦しみだった昨日
まだ空は十分に青くはない
幾つもの雲を運んでは消して
まるで魔術師のように
私を操ろうとするけれど
貴方の気配の中で迎えた
さらさらとしたこの朝

私には足があり
跳躍する
私にはまだ折れた翼しかないけれど
手を広げて飛行機のように蝶のように
そう飛ぶ鳥のようにあの光を目指す

何でも出来るのに何にも出来なかった
何処にでも行けるのに部屋の隅で丸まって泣いていた
与えられた身体は自ら滅ぼした
自分に向かって矢を射続けた
闇を好んで徘徊する私を
貴方は更なる闇で覆い奪い犯した
逃げ場所は何処にもなく
貴方の憎しみの嵐の海に沈み
魂の深いところでそれでもこれは愛なのだと信じた

貴方は今何処にいるのでしょう
私を見ていてくれますか
光を胸に抱いたこの喜びを感じてくれていますか

私たちは与えられた多くのものを
なぜか使うことが出来ない
私たちの外に広がる宙(そら)を
なぜか歩くことが出来ない
生まれながらに萎えていただろうか

私たちには目がある
私たちには耳がある
私たちには魂がある 
私たちには未来があり
私を生きていくことができる

2007年

冬のレモンネード

雨が降るように樹木の窓から陽が降り注ぐ
濁った水溜りに雲が流れ過日の空が写る

有限花序で咲いた誇らしげな花
心のかたちがくちびるのかたちだからと
貴方に傾く炎を折り
縫い合わせたあの落失
見え透いた二元論で
男は女を手放し女は男を打ち消す

注文した冬のレモンネード
諳(そら)んじた恋の不運
感傷的な独唱が風にゆれ波に踊る人の世を
束の間の夢と覚え
拓(ひら)くことのなかった便りを走り読みすれば
形成できなかった明日がテーブルの上でほほ笑む

2009年1月20日20時29分

この日付は私が書いたものではありません。
私は曜日まで入れます。
盗むのは詩人で、詩人に売っているのは政府でしょうか?
やくざでしょうか?
21時32分の記事は既に幾つも出ているのに36分になって32分の記事が新着に載りました。
Yahooは私の質問に対して新着に出るかでないか分からないと言いました。
新着に出ない記事を見たのは、私の記事が初めてです。
他は政府とYahooが出している記事ですから、後でこれは出ていませんと、引っ込めることはいくらでも出来ます。
もう10年yahooを見ていますが、そういう答えでは答えとは言えませんので私はメールをしておきましたが、返事はありません。
メールの返事に一体何日かけるのでしょう?
他に一般投稿者がいるわけでもないのに。

立ち上がれ日本ネットワークより
3月11日 21:32投稿

Yahoo「仮泊(成田悦子)」3月11日 21時34分投稿のこの詩を新着に何時間も載せずに、何時載せたのか知れませんが、ここにあったもう一つの記事の見出しがなくなっています。Yahooが作っている猥褻サイトだったと思います。Yahooは侵入して私の記事のその部分を削除し、私のexciteの記事からも同じ部分を削除しました。

前後の二つの記事があって、その間に私の記事が載っていないということを読者に知らせたのに、一つ見せてどうします?Yahooは、私のブログのパスワードを盗み、私の記事に侵入しています。Yahooはメールに「新着に載せたのに貴方が気付かないのではないのですか」とか、「新着に載せる載せないの理由は言えない」と訳の判らないことを書いて来ました。

しかし、新着掲載の是非を選択するには、私の記事を見ていなければなりません。
Yahooは不正アクセスを行い、私のパソコンを覗いて投稿妨害を行って来ました。
Yahooの私に対する犯罪行為は200年からのことです。
電話をかけて来たこともあります。
日本政府は国民に何も告げず犯罪を犯して来ました。
接続料金だけ支払わせて国と創価学会やくざに接続を使わせているプロバイダーとブログ会社を国民は許しません。

窓の外

街の石畳を一枚一枚
屋根の瓦をひとつひとつ
人の姿をそれぞれに
丁寧に包み込んでほぐす
規定通りの柔らかな季節
窓の外

遠慮(へだ)たる空を上手くこなせない
もつれる明らめと誇りとため息と
亦(また)閉じ込めて透き通った硝子の小瓶
叱られては黙る小犬の仕草
この窓の雨だれ

眺めるように演じる
お得意の役回り
引っ掛かったジッパー
脱げない晴れ晴れとしない日のコート
今この窓の外

浴びた入日
褪せる酔い
飲み乾す慣性の形容詞
窓の外

だから今
この窓の外

そして

這い出して
この窓の外

這い出して

出て行くのよ

ni-na | 2008.07.24 Thu 16:17

夢をみない

街は夏枯れて寂れていなければならない
路上はさながら砂漠でなければならない
指先は冷えて安逸を探し求めてはならない
坂道は一途に登りつめなければならない
扉の向こうに景色はなく振り返ると使い果たした昨日の紙片
今日は明日を思わせてはならない
夢はみない

蝋燭はひたすら燃え続けなければならない
白は雪のように儚いものがたりでなければならない
風は花を散らせ季節を運び形あるものを失わせ
夕べに帰らぬ人を求めず
今日は明日を思わせてはならない
夢はみない

現(うつつ)を奪われた鳥
それとなく鳥であれ
翼を欠いたら明らめて落ちればよい
途切れた空歪んだ空
私が飛ばない空私が飛べない空
今成しえない憧れを抱いて見上げる
私のいない今日私がいない明日
夢をみない

2009年1月25日日曜日11時47分

哀しい哀しい夏さ

選んだのがこの手の甲
鈍色(にびいろ)の山並み
駆け巡る赤い理(ことわり)
曇りの日は雲の片寄りに失望し
雨の日は雨の傾きに哀哀夏(か)さ

不本意発砂丘経由アナタ行きの列車
遮る夏草の眉目(みめ)
油蝉が掻き立てる焦心
遮断機が切情を片々(へんぺん)と伝え

一人口吟(くちずさ)ぶ

とぅ れいと

選んだのがこの掌(てのひら)
この筋のこの行(ゆ)き違い
辿ればやがて消える波打ち際のあどれす
凪いだ朝は水面(みなも)のざらつきに躓(つまず)き
荒れる夕べは無垢な情(なさけ)に身を砕く

諦め発砂丘経由アナタ行きの路線バス
刻々と閉ざされる曖昧の水門
白鳥(しらとり)の嗄れた声は朝の祈りに似て
振り返れば夕潮に沈む砂の上の欲情

一人口吟ぶ

とぅ れいと

2008年6月2日

悲しみは

悲しみは
折りたたんだ洗濯物の
そのたわいも無い折り目にさえ
潜んでいて
くれっせんどとでくれっせんど
りふれいんして

希望の光は
ぶらいんどの隙間を
ぶーめらんのよう
行きつ戻りつ
飛ぶ鳥でさえ遮って
でくれっせんどばかり
りふれいんして
消えてゆく

夢を描いては
雨がそぼ降る田舎道
突然降りた遮断機
潜(くぐ)り抜けもせず飛び越えもせず
ひたすら待つ
単調なめろでぃーりふれいんして
魂ごと閉ざされるユクテ

2006年

未然形の爪

熟れた秋を歩く
慈愛(うつくしみ)を湛(たた)える水の辺(ほとり)
流れに指を浸すと
紫の雲路鳥が啼く

望むことさえ並ばないこのれすとらん

おんなは声を呑む
急(せ)かし為(し)尽くした背の心(うら)さびしさ
蛇足の煩いが引いてゆく色のない岸
再び燃え立ち移ろう野焼きの後始末に
未然形の爪を噛んでは切る

春になったら何をしようかしら

それが口癖
コートの裏地さえ外せないくせに

七曜は瞬く間に過ぎ

春は見限り夏が瓦に赤を張る
骨身に不実の果実酒を注ぎ
冬に海端をさ迷う


2009年1月22日木曜日19時21分

春に落ちた雪

おととい梅の花が咲きました
春がそこにあるのに手が届きません
春は見えるのにアルバムの写真ほどの
罪もない埃が机の上
春に触れるのに指先で毀(こぼ)れて落ちてゆきます

どこにも行かない
撒く種のないこの小さな体
むなしささえ日毎夜毎秘めてゆくだけの
戯れに贖(あがな)ってみるのは言葉の列

今日は雪でした
春に落ちた雪は消えてしまいます
濡れた目で見失ったひかりを朝(あした)にさがし
片ちんばを繰り返すだけの庭先

春が匂うのに
春は私の体に沁みるのに
つれなくて
貴方の腕の裏切りが遠い夢のような日中(ひなか)

2009年2月21日土曜日19時14分

呪文

貴方と
私の距(へだた)り

私達の形式(かたち)が解(ほぐ)れ
僕達の形式(かたち)を貪(むさぼ)り

あなたのカタチと
わたしのカタチは捻じ曲がり

君の欺瞞は
僕に連帯を呼びかける

連なりたいあたし
連ならなければならないあたしたち
繋ぎたい手
繋ぎ止めたい足
繋いで何処にもやらないお前の全て

どう
きっと
淋しい
うらさびしい

どう
きっと
この景色
ごまかせない諦観(あきらめ)

悲しい 淋しい 愛してる
呪文が好き

悲しい淋しい愛してるが
苦笑いしてる

2007年

砂の惨め

だまったまま 黙ったまま 黙って
見詰めていよう
まっしろ まっしろ 真っ白が
ふさわしい

それから

毀(こぼ)れたすーぷを生甲斐のように
うっとりなめるあなたに
むずかしい歩き方はにがて
と遮る途(みち)

空けましょう 明けましょう 開けてみましょう
はずかしい窓 恥ずかしい部屋 恥しいひとの席

それから

机に肘をつきぼんやり眺めるあなたの混乱
戻れない午後
ひとの足踏み

いずれ
理性的に地球は回り
古い道を横切って
朝 あさ 汽車に乗ってひとり
わたしにだまされて座る悔恨の場所
肩の骨が洩らす砂の惨め

18:37 2010/02/07 日曜日

2月の風

書き始めた手紙は律儀に末尾へ向かい
道行く人は似通った袋小路に迷い込む
今日の紙面には滅びに向かう者の嬌態が並び
馴れ合いの台詞が明日を汚す

2月の風が晩鐘を運ぶ夕べ
友人は相変わらず黒い瓦とアンテナと青いカーテン
鏡台に向かう老いた肉片
植物のような影が西陽の揺らぎにくず折れる

むろん日々は傾いた天秤
叩きつけられくじかれて
出口が無意味な管の中
元に戻ることのない化学反応を生きる

刻印を打たれた手の平
それでも
ひたすら私である
さもあらばあれ
マニキュアを塗って鼻歌でも歌おう
2月の風は案外あたたかい

2009年2月14日 土曜日16時56分