おととい梅の花が咲きました
春がそこにあるのに手が届きません
春は見えるのにアルバムの写真ほどの
罪もない埃が机の上
春に触れるのに指先で毀(こぼ)れて落ちてゆきます
どこにも行かない
撒く種のないこの小さな体
むなしささえ日毎夜毎秘めてゆくだけの
戯れに贖(あがな)ってみるのは言葉の列
今日は雪でした
春に落ちた雪は消えてしまいます
濡れた目で見失ったひかりを朝(あした)にさがし
片ちんばを繰り返すだけの庭先
春が匂うのに
春は私の体に沁みるのに
つれなくて
貴方の腕の裏切りが遠い夢のような日中(ひなか)
2009年2月21日土曜日19時14分